モルタル壁

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モルタル壁

2019/04/09

モルタル壁は、木下地(気刷り・構造用合板・ラスカット等)の上に防水紙・ラス網(ラスカットは不要)を施工し、その上にモルタル等で仕上げた壁のことをいいます。
モルタル壁は施工後、塗装工事が必要とされます。
左官仕上げ壁は、竹小舞を組んで土下地塗りをして漆喰仕上げや、リシンの掻き落とし仕上げや、近年では、自然素材を利用した塗り壁も多く出回るようになりました。
現在、建築工期を短縮させる方向へと進む傾向があり、モルタル壁や左官仕上げ壁は湿式工法といわれ、減少の傾向にありサイディング等の乾式工法が多くなっているようです。
しまし、まだまだその需要は多く新しい素材の開発や工法の開発により、根強い人気があります。
 

予測される劣化

1)クラック 

モルタル壁の最大の欠点と考えられます。
最近多発する地震により、壁に大きなクラックが入っているのを見ます。
このモルタル壁は、追従性能がなく振動や多方向からの動きに弱く、地震は当たり前のこととして、ちょっとした地盤沈下や、木材の乾燥に伴う伸縮にも弱いのです。
施工技術・環境・風土によっても違いがありますが、クラックが全然入っていない壁は探すのが難しいくらい、劣化の代表的な傷状です。

2)剝れ・浮き上がり

クラック部分から雨がしみていくのを放置すると、壁が浮き上がってきます。
モルタル面と防水紙の間に雨が回り込み、剥離を起こすと考えられます。
剥離を放置しておくと、剝れてくることがあります。漆喰壁の場合は、漆喰の部分がパリパリと剝れてくることがよくあります。

3)苔・カビ類の定着

これは、塗装によるメンテナンスが一般的です。
施工前に、高圧洗浄で汚れを落としてから、塗装を行います。
塗装もかなり種類があり、その選択も建物を維持してゆくのに大事なことです。
多く使用されているのが、ウレタン塗料・シリコン塗料・フッ素塗料・遮熱塗料等、その種類は多様化しており、施工前にきちんと相談して選択することが大事です。

4)白華現象

これはエフロレッセンスを起こしている原因を調査することが大事です。
その問題を解決しないと何もできません。原因によって、そのお手入れの方法は変わるので、専門の業者に調査を依頼してその後の対策方法を相談することが大事です。

お手入れの方法

1)クラック

クラックと一口に言っても、髪の毛ほどのヘアークラックから幅1ミリ以上のクラックもあり、状況によってその対応は大きく変わります。 ヘアークラック程度なら、追従性のある塗装を塗れば、問題なく処理できるものから、クラック部分をV字型に削り、そこに追従性のある材料を注入処理し、その後、塗装をするといった方法も考えられます。
状況をチェックしてもらい、そのクラックに適した方法で処理することが望ましいと思います。

2)剥れ・浮き上がり

まず、浮き上がりや剥がれの原因となった状態を解決することが先決です。
解決できたら、浮き上がったところは剥がして、新たなモルタルを塗って処理するのがベストだと思います。
剝れたところも同じことが言えます。ただし、もともとのモルタルと、新しく塗り込んだモルタルと、セメントの配合や既存の状態によって、施工後、隙間が空いたりすることが十分に考えられます。
また、塗った部分が痩せてくることもあります。その対策を予め、配慮しておかなければなりません。

3)苔・カビ類の定着

表面が塗装により凸凹がついていますので、塗装の防水性や防汚性が低下すると、苔・カビが定着します。
特に日照時間が少ない、北面や西面に良く定着する場合が多いようです。

4)白華現象

エフロレッセンスといわれ、セメントの水和反応し、際して生じた遊離石灰でこの反応があるという事は、内部に雨が侵入している証拠です。
モルタルが白く粉をふいて、固まったような状態になることがあります。

※近年、モルタル壁に、金属サイティングを張ってメンテナンスをすることが多くなってきました。
クラックが多くなったり、剝れや浮が多くなっりしてくると、モルタルを剥がして補修するより新たな壁を構築したほうが、完全に雨仕舞ができ、きれいになるからです。
メンテナンスの方法として一つの選択肢であると考えます。

ご自分でできる点検

1)目視

建物を一周してください。汚れがたまっていませんか、苔・カビが定着していませんか、クラックがありませんか。
クラックの出やすい部分は、柱が入っている部分や、下地の継ぎ目です。また、サッシの4隅もクラックが入ることが多いようです。
柱の間隔・下地の継ぎ目は角から910ミリピッチで次の柱や下地材の継ぎ目は910ミリの倍数となります。
つまり、1,820㎜・2,730㎜といったようになっています。
ただしこの規定は、尺管法で建てられた建物(現在の建物の85%程度)に限りmモジュールで建てられた建物は1mの倍数で変化してゆきます。

2)触手

壁で手を触ってください。手にチョークの粉のようなものが付きませんか。
これはチョーキング現象といって、塗装が劣化した状態を示します。
防水性能や、防汚性能が低下してきた証拠です。次にクラック部分やお風呂の壁をノックするように叩いてみてください。
高い音がするようなら、モルタルが剝離しているかもしれません。
念のため、その周りの壁も叩き比較してください。
明らかに音が違うようでしたら、剝離を起こしている可能性があります。
専門の業者にチェックをしてもらってください。

※上記のような簡単な方法も選択肢の一つですが、やはり専門の業者に依頼する方が安心でき調査の段階から、メンテナンスについての打ち合わせもできることになります。
日々のチェックと、数年毎に、専門の業者を依頼することの併用が大事なことだと考えられます。

モルタル壁仕上げの建物